AWSを使う上で便利な機能はたくさんありますが、中でもチェックしておきたいのが「S3」と呼ばれるサービスです。AWSの基本的な機能であるS3を上手く活用することで、業務改善や効率化を実現することができるでしょう。

こちらではそんなAWSのS3サービスについて確認し、その魅力や具体的なメリットを解説していきます。AWSを利用する予定なら、ぜひこの機会にS3の存在にも目を向けてみましょう。

目次

  1. AWSとは
  2. S3とは?初心者にもわかりやすく解説
    1. S3のメリット
    2. S3の使い方
  3. まとめ

AWSとは

AWSとは、ECサイトでお馴染みとなっている「Amazon.com」が提供するクラウドコンピューティングサービスです。

クラウドを使ってさまざまな事業をサポートするAWSは、ITをメインとした業務の効率化や事業内容の拡大において欠かせない存在となりつつあります。耐障害性と高可用性というメリットが継続した利用を助けてくれるので、AWSを主軸に置いた形で業務を進めていくことも可能でしょう。

既にAWSは世界各国で利用されていて、多くの企業がシステムを取り入れています。ストレージ、ネットワーキング、データベースとしての利用、アプリケーション開発、データ分析といったあらゆる分野で応用できるAWSは、対象となる事業者を限定しません。

さらに使った分だけ請求する料金体系や、無料でお試しができる機能があることから、気軽に現在の事業に取り入れやすいという特徴もあります。

AWSに魅力を感じたのなら、今からでも簡単に導入を進めることができるでしょう。

S3とは?初心者にもわかりやすく解説

S3とはAWSのサービスに含まれる機能のひとつで、「Amazon Simple Storage Service」の略称です。

オブジェクトストレージサービスの一種であり、データ容量を気にすることなく保存することができます。オブジェクトのファイル単位での出し入れが可能なので、その場に応じて自由な使い道が想定され、より柔軟なデータ保存が実行できるのが特徴となっています。

業務全体で利用しているデータの容量が保存しきれなくなっている、豊富なデータの分析・保管に使える媒体が欲しい、そんなときにはAWSのS3に魅力を感じられるでしょう。

既に世界中の企業で利用されていて、保存されているアプリケーションデータ数は数百万にものぼるとのこと。大手企業が頼るほどのストレージサービスとして浸透しているので、これからもS3はその利便性を高め、あらゆる事業に欠かせない存在になると予想できるでしょう。

S3のメリット

S3にはたくさんの特徴的な機能があるため、例えば以下のようなメリットを得ることができます。

  • 柔軟なストレージ機能
  • 耐久性と可用性の高さ
  • 低コストによる運用が可能
  • 静的ファイルの配信
  • 豊富なツールや機能

柔軟なストレージ機能

S3最大の魅力は、柔軟に対応可能なストレージ機能です。ストレージが自動的に拡張・縮小されるため、事前に正確な容量を計算する必要や、先行投資して余分にリソースを確保しておく必要がありません。

単純なバックアップ先としてはもちろん、処理前と処理後でファイルを分別する事や、静的ファイルをS3から配信したりなど、その使い方はさまざまです

膨大なデータを適切に取り扱うのであれば、S3のクラウドストレージに大きな魅力を感じられるでしょう。

耐久性と可用性の高さ

安全かつ継続的に使えるという点は、クラウド系のサービスにおいて非常に重要なポイントです。S3は高い堅牢性を有したシステムを構築しているので、ずっと使い続けられるだけの耐久性と可用性に期待できます。

AWSのS3ではすべてのオブジェクトに対して99.999999999% (9 x 11)の耐久性を実現できるように設計がされていて、安全にデータを利用することが可能となっています。

障害やエラー、様々な脅威から守られているので、貴重なデータや機密性の高い情報はS3で管理することがおすすめです。

低コストによる運用が可能

S3の料金はストレージにおいて実際に保存されている容量とリクエスト数、データの転送料金などを参考に決定されます。つまりは使った分だけ請求される形となるので、コストを意識した利用が可能となっているのです。

最低利用料がないおかげで、気軽に利用を開始することができるでしょう。

またS3はストレージクラス分析を利用して、保存されたデータのアクセスパターン等をチェックし、低コストのストレージに移動するべきデータを教えてくれます。

一定時間たったら削除するなどの設定も行えるので、S3であれば膨大なデータを効率よく利用できるようになるでしょう。

静的ファイルの配信

コーポレートサイトのような静的なコンテンツのみを配信したい場合には、データをS3から直接公開する静的ホスティングサービス利用が可能です。

サーバーにおける監視作業やサーバーダウンによる復旧等を考慮しなくても、コンテンツの作成に没頭することができます。

膨大なアクセスによるサイトへの負荷を低減するために使えるので、必要であれば事前にS3による構築がおすすめされるでしょう。

豊富なツールや機能

S3には他にも便利なツールや独自機能が豊富に備わっているので、あらゆる方面で役に立つシステムを構築できます。例えば以下のような機能が、S3をさらに便利なシステムとしてくれるでしょう。

  • ストレージクラス分析:アクセスパターンからの分析ツール
  • ライフサイクルポリシー:ルールに基づきオブジェクトを自動的に移動するシステム
  • クロスリージョンレプリケーション:別のリージョンへのデータコピー & 同期
  • オブジェクトのロック:オブジェクトごとに保存設定を行い、削除されないようにする機能
  • インベントリ:格納されているオブジェクト、メタデータ、暗号化ステータスの可視化など

あらゆるツールと連携できる点は、S3を利用する理由になることでしょう。

S3の使い方

S3の基本となる使い方は、大まかに以下の手順によって進められます。

  1. AWSマネジメントコンソールからストレージのS3を選択
  2. 「バケットを作成する」をクリック
  3. 作成するバケットの名前、リージョン、設定のコピー等の情報入力
  4. バケットのオプション設定
  5. バケットへのアクセスを指定
  6. 内容の確認

上記の流れで作成されたバケットへは、以下の手順でファイルのアップロードを行います。

  1. 概要から「アップロード」を選択
  2. アップロードするファイルを指定
  3. 必要に応じてアクセス許可やプロバディを設定する
  4. 「アップロード」をクリックしてオブジェクトに追加する

S3の機能は、このように簡単な流れから利用することが可能です。慣れてくれば日々の業務の中でも、スムーズにS3を使いこなせるようになるでしょう。

S3はバックアップ、災害対策、アーカイブでの利用、ビッグデータの分析など、あらゆる用途が考えられます。この機会にS3の使い方をチェックして、導入が決まったときにも慌てずに利用できるように準備しておきましょう。

まとめ

AWSのS3は、データの管理や分析に欠かせないストレージ機能を提供してくれるサービスです。所有しているデータを業務に利用し、将来に活かしていくことを考えるのなら、S3の導入をおすすめします。

多機能かつ安価に使えるS3は、本格的にデータの管理をクラウドストレージで行いたい企業だけでなく、とりあえずデータ管理の方法を今と変えてみたいという企業にも推奨されます。既に多くの現場で稼働しているS3は、今後もさらなる発展と進化を続けることが予想されるので、この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。