【目次】
- 1. オンプレミスからクラウドへ~それぞれの違い
- 2. オンプレミスからクラウドへ~どのクラウドを選択すべきか
- 3. オンプレミスからクラウドへ~移行方式から考える
- 4. オンプレミスからクラウドへ~移行に適した組織を考える
- 5. オンプレミスからクラウドへ~まずは触ってみる
- 6. まとめ
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1. オンプレミスからクラウドへ~それぞれの違い
まず、オンプレミスとクラウドの違いについて説明をします。
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a) オンプレミスとは
オンプレミスとは、サーバーなどの機器を自社が管理・契約している施設(データセンターなど)で運用する形態のことです。ホスティング環境、プライベートクラウド環境などと呼ばれることがあります。
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b) クラウドとは
インターネットを経由して、サーバやサービスを自在に利用できる環境のことを指します。別名パブリッククラウドと呼ばれます。
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c) それぞれの比較
オンプレミスとクラウドについて比較をします。
オンプレミス クラウド コスト 初期費用については、多額になる場合が多いです。データセンターの契約、機器の購入、搬入、設定を行う必要があります。
また維持費用についても、機器やサービスの監視、セキュリティ対策、災害対策を考慮する必要があり、高くなります。初期費用については、基本的にかからない場合多いです。
また維持費用についても、使用した分だけ課金が発生する場合が多く、適切な管理を行った場合には低く抑えることができます。スピード 契約から機器設定、システムリリースまで半年~数年単位でおこなわれることがおおく、スピードは遅いです。 数クリックで環境を構築することが可能で、非常に速いスピードでサービスを受けることが可能です。 品質 障害発生時には詳細な調査が可能で、原因の特定や恒久対応の策定を行いやすいです。 様々なサービスを組み合わせることにより、品質の向上に寄与します。しかしながら、障害発生時には詳細な原因調査はできないため、恒久的な対応はとりにくいです。 カスタマイズ クラウドに比べて圧倒敵にカスタマイズ性が高く、コストさえかければなんでも実現可能です。 サービスの組み合わせによりカスタマイズできますが、オンプレミスよりも柔軟性は低くなります。
このように、オンプレミスとクラウドとの間には大きな違いがあり、どちらが最適か、判断をする必要があります。
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2. オンプレミスからクラウドへ~どのクラウドを選択すべきか
現在は様々なクラウド業者が存在し、それぞれの特徴が存在します。オンプレミスからクラウドに移行する際には各々の特徴について知っておき、最適なクラウドサービスを選択しましょう。代表的なサービスについて以下に記載します。
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a) AWS (Amazon Web Services)
Amazonの子会社であるAmazon Web Servicesが提供しています。世界シェアNo.1のクラウドサービスです。継続的かつ高頻度にアップデートが行われるため、最高品質のサービスを提供しています。
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b) Microsoft Azure
Microsoftが提供しています。Office製品やActive Directoryなど、オンプレミスとの親和性が高く、オンプレミスと連携するハイブリッドクラウド方式において圧倒的な強みを持っています。
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c) GCP (Google Cloud Platform)
Googleが提供しています。TensorFlowやBigQueryといったサービスにより、大規模なデータ分析や機械学習に非常に強みがあります。GmailやGoogleカレンダーとの連携も可能です。
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d) Oracle Cloud Infrastructure
Oracle社が提供しています。圧倒的な安さが特徴です。また、OracleDataGuardなどのコンポーネントはOracleCloudでしか使用できないため、オンプレミスでOracleDataGuardなどを使用している場合は検討するといいでしょう。
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e) マルチクラウド
上記のクラウドを複数使用し、システムを構築する方式です。高度な知識が必要ですが、AzureとOracleCloudが連携を発表するなど、マルチクラウド化が加速しています。
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3. オンプレミスからクラウドへ~移行方式から考える
オンプレミスからクラウドへは様々な移行方式があります。オンプレミスからクラウドへ移行する際に、それぞれの移行方式の特性を知っておき、コストや実現可能性を考える必要があります。
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a) 4つの移行方式
オンプレミスからクラウドへの移行方式は、以下の4つの方式があります。
・リフト、リホスト
・リプラットフォーム
・再購入
・リファクタリング
それぞれについて説明していきます。 -
b) リフト、リホスト
システムの構成やアプリケーションをそのままにしながら、クラウド上へ移行することです。もっとも簡単な移行方式で、OSのサポート切れなど、移行の必要性に迫られた場合や、組織内でクラウドのノウハウが少ない場合に適しています。一方で、クラウドのメリットを十分に生かすことができない場合が多いです。
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c) リプラットフォーム
リフト、リホストと比較し、多少のアーキテクチャをクラウドに沿った形式にする移行方式です。例えば、データベースをPaaS(AWSのRDSなど)に移行し、運用コストを削減するような方式です。移行のリスクを低くしたまま、クラウドのメリットも受けることができます。
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d) 再購入
オンプレミスの製品を、クラウドのSaaSや他の製品に置き換える移行方式です。例えば、オンプレミスで運用していたウイルス対策基盤を、SaaSに変更するといったように、特定の機能に特化した製品であれば移行のスピードやコストを圧倒的に下げることが可能です。
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e) リファクタリング
クラウド移行クラウドの機能やサービスをフル活用し、アプリケーションを再構築する移行方式です。最も難易度は高いですが、継続的に運用をしていくことで、耐障害性の獲得や高速なデプロイ、低コストといったクラウド特有のメリットを最大限に得ることができます。
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4. オンプレミスからクラウドへ~移行に適した組織を考える
オンプレミスからクラウドへ移行する場合は、組織のバックアップが不可欠です。例えば、オンプレミスからクラウドへ移行する際、オンプレミスの技術者やクラウドにリスクを感じる組織内の人間はクラウドへの移行に反対するはずです。
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a) 人を育てる
クラウドへ移行する際にまず重要なのは、クラウドについての知識を十分にもった人材の獲得です。現代においては、クラウドサービスの提供業者で各種研修が行われているほか、動画共有サイトでもハンズオンの動画があふれており、コストをかけることなくクラウドに関する知識を得ることができます。そのような人材を評価・バックアップしていく体制を作成し、組織全体でオンプレミスからクラウドへの移行を担う人材を育成していくことが大切です。
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b) パートナーを巻き込む
AWSやGoogleのようなクラウド事業の提供者はもちろんのこと、クラウドを専業にしたコンサルタント等、オンプレミスからクラウドへの移行を支援するパートナーは世の中にあふれています。そのようなパートナーとの連携を行っていくことで、クラウドへの移行リスクを抑えるだけでなく、様々なノウハウを獲得できる、といったメリットもあります。
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c) 組織を成長させる
オンプレミスからクラウドへ移行を行うワークロードを増やしていく際に、クラウドの有識者による専門の部隊を作成するべきです。クラウドに関するセキュリティやコンプライアンス面の対策を集中的に行うことで、効率的にオンプレミスからクラウドへの移行作業を進めていくことができます。また、ノウハウを集約することで、クラウドから得られるメリットを最大化させることが可能です。加えて、クラウドに対する組織内の関心を高め、人材育成を加速させる効果があります。
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5.オンプレミスからクラウドへ~まずは触ってみる
オンプレミスからクラウドへ移行を検討する際に、ありがちなのは、計画だけに多大な時間をかけてしまい、移行フェーズに知識がノウハウがたまっていないことです。クラウドへの移行を検討するのであれば、まずクラウドのサービスを体験してみて、それぞれのサービスがどのようなメリットやデメリット、特徴があるのかを体験し、移行のイメージをつかむことが何よりも重要です。
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6.まとめ
以下にまとめを記載します。
・オンプレミスとクラウドは速さ、安さ、カスタマイズ性など、さまざまな差があることを知っておくべきです。
・クラウドサービスは様々な提供者が存在し、それぞれに強みと弱みがあります。
・移行方式について知っておき、最適な方式を選択する必要があります。
・オンプレミスからクラウドに移行する際には、組織ぐるみで対応を行っていくことがひつつ様です。
・なによりもまずはサービスに触れてみることが重要です。
※下記のブログもご覧ください。
【クラウドとは?】初心者にもわかりやすく解説