【目次】
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1. はじめに
SaaSという言葉を最近耳にしたことはないでしょうか。2010年代から、「SaaS」という言葉は日本でも急速に使われるようになりました。本記事にて「SaaS」について詳しく解説していきます。
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2. SaaSとは? 初心者にもわかりやすく解説
「SaaS」は「Software as a Service」の略で、「サーズ」と発音します。クラウド上に作られたアプリケーションやサービスを、インターネットを通じて利用する形態のことをSaaSといいます。例えば、Google社のGmailを利用したことはないでしょうか。Gmailは、Google社のクラウド上に構築されたメール用のアプリケーションを、インターネットを通じて利用しています。Gmailのほかにも、普段から利用しているSaaSは身近でたくさんあります。地図アプリの他、スマホゲームなどもSaaSの一種といっていいでしょう。
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a) SaaSの特徴
SaaSの特徴は大きく3つあります。
- ・インターネットにつながってさえいれば、いつでも誰でも利用できる
どのような端末や機器を持っていようが、インターネットにつながりさえすれば利用することが可能です。また、FacebookやTwitterなどのアカウントを持っていれば、アカウント連携ができるサービスも多く、アカウント開設なしで即座に利用できるサービスも増えてきています。 - ・使った分だけお金が発生する
無料のSaaSも多いですが、基本的には使った分だけお金が発生します。料金は、サービスによって異なりますが、秒単位から年単位など、様々な形態があります。2019年の流行語にもなっている「サブスクリプション」もSaaSの料金形態の一種です。 - ・複数の人とシェアできる
SaaSはインターネットを通じて複数の人とデータやアプリケーションをシェアして利用します。Googleドライブなどにファイルをアップしたりしたことはないでしょうか。Googleドライブを利用するときは、自分専用の保存用機器が用意されているわけではなく、複数の人と、インターネットを通じてGoogle社の保存用機器をシェアしているのです。
- ・インターネットにつながってさえいれば、いつでも誰でも利用できる
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b) PaaS、IaaSとの違いは
SaaSはインターネットを通じてクラウド上のサービスを利用する形態と記載しました。SaaSのほかに、クラウド上のサービスの利用形態としては、PaaS(Platform as a Service:パース)、IaaS(Infrastructure as a Service:イアース、アイアース)があります。PaaSはデータベースなどのミドルウェアを、インターネットを通じて利用できます。また、IaaSはサーバを丸ごとレンタルし、インターネットを通じて利用できます。
以下に、誰が何を利用できるか、表で記載します。
IaaS PaaS SaaS アプリケーション 利用者が利用可能 利用者が利用可能 利用者が利用可能 ミドルウェア 利用者が利用可能 利用者が利用可能 サービス提供者が管理 OS 利用者が利用可能 サービス提供者が管理 サービス提供者が管理 ネットワーク サービス提供者が管理 サービス提供者が管理 サービス提供者が管理 ハードウェア サービス提供者が管理 サービス提供者が管理 サービス提供者が管理 データセンター サービス提供者が管理 サービス提供者が管理 サービス提供者が管理 -
c) いろいろな「〇aaS」
現在は、クラウドを利用して様々な企業がサービスを提供しています。そのなかで、SaaSとは別の呼ばれ方で呼ばれ始めているビジネスも存在します。一例として見ていきます。
- ・DaaS(Desktop as a Service)
クラウドに構築した作業環境(デスクトップ環境)をインターネットを通じ利用する形式です。通常、会社を立ち上げる際など大量のPCを購入し、作業環境を整える必要があります。しかし、DaaSを利用すれば安く、そして早く作業環境を整えることができます。
- ・FaaS(Function as a Service)
クラウド上にプログラムを用意しておき、利用したいときにプログラムを実行する形式です。AWS(Amazon Web Services:最大手のクラウドサービス事業者)のLambda(ラムダ)などが有名です。
- ・AaaS(Analytics as a Service)
クラウド上のデータ分析基盤を利用してデータ分析を行う形式です。データ分析用の機械は一般的に高額ですが、AaaSを利用すれば簡単に利用できます。GoogleのBigQueryなどが有名です。
- ・DaaS(Desktop as a Service)
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3. SaaSについて詳しく
SaaSのメリット、デメリットや、普及する背景について詳しく記載していきます。
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a) SaaSのメリット、デメリット
SaaSのメリットとデメリットについて、利用者とサービス提供者の視点で見ていきます。
- ・利用者視点のメリット、デメリット
利用者視点のメリットとしては、いつでもすぐに、好きなだけ利用できる点がメリットです。時間、お金、インターネットさえあれば好きなだけサービスを利用することができます。したがって、特定のデバイスを用意する必要がなく、お金のロスが少なくサービスを利用できます。利用者視点のデメリットは、なんといってもアプリケーションを好きなようにカスタマイズできないことです。アプリケーションは様々な人とシェアをして使っているため、自分用にカスタマイズされることはほとんどありません。万が一アプリケーションが使いにくかったら、改善要求を出すか、別のアプリケーションを探すかしか方法がありません。
- ・サービス提供者視点のメリット、デメリット
サービス提供者視点のメリットとしては、非常に利益が出ることとです。いままでのITサービスは、お客さんごとにアプリケーションをカスタマイズし、利益をあげていました。しかしながらこの方法ではコストや時間が大幅にかかってしまい、利益を圧迫していました。しかしながら、SaaSであればカスタマイズ不要で、万人が同じアプリケーションを利用します。素晴らしいサービスを作り、ずっと利用者がいさえすれば、永久的に収入が得られます。逆に、優れたサービスを作らないとすぐに利益がなくなってしまう点が、デメリットです。したがって、SaaSの提供者はアプリケーションをよりよくするために、日々奮闘しています。
- ・利用者視点のメリット、デメリット
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b) SaaSの将来性
現在、AWSやAzureといったクラウドの利用が世界中で増加しするにつれて、それらのクラウド上にサービスを作成し、SaaSとして公開する企業が増えています。今後もますます増えていくことでしょう。このような現実を見てみると、今後もSaaS形式のサービスはますます増えていき、様々なサービスを我々が利用できるようになると考えられます。
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4. まとめ
SaaSはクラウドの利用形態の1種です。ほかにも様々な〇aaSがあります。利用者であれば、自分に合ったサービスを探してみましょう。
※下記のブログもご覧ください。
1. ファイアウォールとWAF、IPSの違いは?初心者にもわかりやすく解説